東京永久観光

【2019 輪廻転生】

宗教をぬげ、国家をかぶれ

いつか日本が君主国から共和国に転じたあかつきには、
学校の先生や総理大臣やテレビのアナウンサーは、
一般の子供を「ちゃん」づけで呼ぶのと同じように、
皇室の子供も「ちゃん」づけで呼ぶようになるのだろうか。


もちろん、個人や共同体においては、
従来どおり「さま」と呼ぶ人がいるだろうし、
「さま」と呼ばない人もいるだろうが、
個人どうしの多くは、
お互いにそれを認め合ってトラブルにもならないだろう。
私も、このことで他人からとやかく言われたくないし、
他人にとやかく言いたくもない。
細木数子も信じようが信じまいがとやかく言わない。


しかし、国としては、つまり新しい日本共和国としては、
公の場で皇室に特別な敬称や敬語を使用することを
法律で禁じる可能性はあるのではないか。
もしかしたら日の丸や君が代も禁じるかもしれない。
そのとき、皇室に依然として特別な敬意を抱いている人々は、
その禁止法に対してどういう反応をするのだろう。


#ちなみに、新日本共和国は、日の丸と君が代は廃止しても、
 新しい国旗や国歌への侮辱は許容しないのだろう。
#ついでながら、マクドナルドの場におけるお子様に対する敬語を
 禁じる法律はいつ出来るのやら。


 *
 
 
フランスのいわゆる「スカーフ禁止法」をめぐって、勝手に連想してみた。


この法律をめぐって拉致事件が起こったことはすでに報じられた。
加えて今度は、
スカーフをぬがされても髪は見せられないと、
頭をまるめてしまった女生徒がいるというニュース。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/europe/3708444.stm
こちらも参考→http://d.hatena.ne.jp/Soreda/20041011


この法律の狙いを、私はよく知らない。
しかし踏まえておくべき点はいろいろあるようだ。
●フランスには「非宗教性」という建国以来の理念と議論があるらしいこと。
ムスリムのスカーフだけを禁じているわけではないらしいこと。
●しかし、イスラム教ではスカーフ着用こそが「法」であるらしいこと。


以下参考


《フランスでは日本同様信教は自由であるが、同時に憲法で「非宗教性」が明記されている。端的に言えば、フランス国家はまったく諸宗教から独立していなくてはならない、ということであり、そのことから公共病院や公教育において、宗教性が厳格に排除される。》(極東ブログ
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2004/01/post_6.html


《同法は「顕著な宗教的標章の公教育の場での着用禁止法」と呼ばれ、フィヨン教育相も一日、適用対象は「公教育の場」に限定され、家庭など学校以外では着用は自由だと強調。公立校では大型十字架やキパ(ユダヤ教の男子の帽子)も禁止対象となることや、スカーフ着用の女子生徒が登校しても入り口で排除せずに対話する−など詳細な実施要領も通達した。》(産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040903-00000013-san-int


《…ヘッドスカーフ着用はイスラムの法なのである。日本やキリスト教圏では、信仰とは個人の内面の問題に還元されているが、イスラムにおいて信仰とは法の遵守であり、スカーフの着用は法で決められているのだ。そしてこの法は、本質的に国家を凌駕する。イスラム教であるということは、イスラムの法が国家を支配することになる。これはフランスと限らず、近代国家には許し難いことになる。だから、スカーフが問題なのだ。》(極東ブログ
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2004/01/post_6.html


フランス大使館のサイトから
http://www.ambafrance-jp.org/japanese/info_generales_j/imagefrance_j/societe/
→「非宗教性」


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ところで、フランスの公立学校で、仏教徒の子供が昼飯を食べる前に合掌して「いただきます」と言うのは、OKなのだろうか?