アテネ五輪のハンマー投げ金メダリストにドーピング疑惑。以下余談――
「88年ソウル五輪のベン・ジョンソン、幻の金」が有名。しかし、ジョンソンがルイスより速くゴールしたあのシーンが幻だったというわけではない。だから、もやもやした気分が残る。薬物で筋肉を増強したにせよ、人間ひとりがその身体だけを使って100mトラックを9秒79で走り抜いた事実はなかなか捨てがたく思われる。
今回のハンマー投げはテレビで見ていた。優勝したハンガリーのアヌシュは室伏など問題外に絶好調で、そういえば投げた後の挙動も尋常ならざるハイテンションだったけど、さては! …なんていうのは冗談として、ともあれ、アヌシュの腕と全身の筋肉でハンマーがあそこまで飛んだのは事実。ハンマーに細工をしたとか、超能力で浮遊したとかいう話ではない。
オリンピック選手などはみな、いずれにせよ人間離れした技法で人間離れした身体を造形しているとも言える。金メダルの価値を評価しない人にとっては、その特異な営為そのものがドーピング人生と映るかもしれない。
あるいは、自己暗示とか催眠術とか細木和子の占いとか、そういうものの効果で好成績が出たような場合は、どう考えればいいのだろう? 肉親から洗脳に近いメンタル訓練を施され本来の実力とは裏腹に勝ってしまった(あるいは負けてしまった)場合とか。魂のドーピング?
ついでながら、ちょっと気になっていたのは、女子バレーの選手などが首にかけていたアレ。これかな? →参照。「磁気の作用で身体能力が不自然なほど増強されます」(とは書いてない)。