東京永久観光

【2019 輪廻転生】

胸算用


iBookのキーボードに水がかかってさあ大変。あたふたした甲斐もなく、二つばかりキーが反応しない。嗚呼。もうdamepo。機械の病気は気合いでは治らない(いや人間の病気も)。 まさに覆水盆に返らずだ。 嗚呼。万札が頭の中をひらひら。 翌朝、対面修理のクイックギャラリー(渋谷)へ持ち込もうと、まず銀行から金を引きだす。 同じ失敗を過去にもしているので、恐ろしきその額が想像できるのだ。マシンの痛みより財布の痛み。まったく国民健康保険は使えないのかと、政府の無策を糾弾する。「いいよ、5万円のつもり貯金さ」。意味の通らない慰めに逃げこむ。

ところが、クイックギャラリーはサービス方式が変わり、今は交換部品を置かないらしい。したがって、自宅引き取り&宅配サービスのほうが便利でやや安いと教えられ、それを利用することにした。さて見積もり額のほうは2万1千円也。5万円台を覚悟したのは記憶違いだったか。気がつけば3万円の貯金ができた気分。何か買いたいものはなかったっけ、と少々浮かれる始末。

というわけで、ここ2、3日は別のマシンを使う。OSは同じだがクロック数が今どき250M。iBookは500Mだから、およそ半分か。たしかに「はてなアンテナ」も「アサヒコム」も表示がふだんよりちょっとずつ遅い。メール受信もちょっとだけ待つ。まあこれは今までも感じていたことで、インターネットとはこの「ちょっと」の待ち時間をクリックのたびに果てしなく積み重ねていく体験ではないか。これを全部足したら相当なものであり、ためておいてどこかへ持っていけば、たしか車イスがもらえたはずだ。