東京永久観光

【2019 輪廻転生】

きれいな戦争、きたない平和


雑誌SIGHTに触発されて手にした藤原帰一「正しい戦争」は本当にあるのか』。(参照1.27日記)

『「戦争反対!」なんて意気込むと「あなたは現実を知らないね」と諭される。たしかによく知らないので言い返せない。そうか現実を前にしたら平和は諦めるしかないのか、と。ところがその現実をしっかり見つめてみると、戦争だ戦争だと意気込む連中だって現実をよく把握していないことがわかる。しかしいっそう思いがけないことに、平和への空論は、戦争への空論と同じくらい大きな過ちに転びかねないのだ。このインタビューは、戦争をめぐる政治の力学を冷静に丁寧に平明に解き、こうした図式に気づかせる。藤原帰一は「戦争は絶対避けられる」と楽観はしない。だが「戦争は絶対避けられない」と悲観もしない。そして平和という細道を理念よりも実践の課題として探っていく。戦争の可能性は0%でも100%でもなく、常にその中間を揺れ動いてきた。そうした政治と歴史の現実が次々に示されて、目から鱗も次々落ちる。最終的に私はこう励まされたように感じている。諦めるべきは平和じゃない、戦争のほうだ、と。

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