東京永久観光

【2019 輪廻転生】

戦争はどこで起こる?

トリビアの泉で、二人の愛を計測する「ラブテスター」なんてのが出て、「へぇ〜」じゃなく「あったあった」なんて思う自分は、なんと長い歳月を生きてしまったのかと、悲しくなってくる。●「すいか」は半分ほどしか見なかったが、毎回テレビドラマとしては極めて稀な親近感をおぼえ、最終回を見ていても、こういう「世界との折り合いのつけかた」は独特だなあ、なにかこれに似たドラマは他になかったろうかと考えて、「二丁目三番地」などというあまりに大昔のタイトルにまで遡ってしまった自分も、あきらかに古い世代に入るのだろう。子供だったから内容はまったく記憶していないのだが、朝丘ルリ子つながりだけではない、なんらかの根拠があるのかもしれない。●安倍晋三49歳、新内閣の平均年齢59歳が「若い!」と言うのを聞いて、まだまだ大丈夫かと思う安心感には、すでに49歳や59歳を超えた人なら逆になんだか嫌な気分が残ったはずだ、という想像力が欠けている。●雑誌『ファウスト』の賞の応募が80年以降の生まれに限るというのも、新卒者いらっしゃい、中高年はもはや就職できません、みたいな事情にまるきりシンクロしているようで、辛い。●「若いほうがいいじゃないか!」という価値基準がタガを外して台頭してきた社会で、年長になっていくばかりの者はどうしたらいいのだろう。近い将来に憲法が変わり徴兵も現実になったとき、たとえば「40歳以下に死んでもらうよりは、40歳以上に死んでもらったらどうだ、日本にとってはそっちが好都合だ」なんてことになったら! そのときは私もいよいよ「若いやつらこそみんな戦争に行って死んでしまえ」と言いだすかもしれない。たとえばきょうファミレスの座席に靴のまま上がって平然としていたあの若い連中に向かって。