東京永久観光

【2019 輪廻転生】

★佐藤健寿『CARGO CULT』

カーゴ・カルトは宗教というものが悲劇であるより喜劇である可能性に気づかせる。キリスト教やイスラム教もまた喜劇として眺めていいだろう。「そもそも世界はなぜ存在するんだ?」などと執拗に問いたがる私の信仰もまた喜劇と思えば面白い。 同書は、以下の…

国債制経済

つい数十年前は、共産制経済は実現できると、けっこう多くの人が思ったようだ。今は、国債制経済が実現できると、けっこう多くの人が思っているかに見える。かつてはソ連や中国がお手本だった。こんどは日本がお手本だったりして?

1973年ヒット曲

1973年は洋楽のヒット曲が豊富だったことが知られるが、もう50年経った。こんな場合「あっという間でした」という談話が一般的だが、実際は50年ってホントに大昔じゃないか。むしろ意外というか当たり前の感慨を覚える。50年は永遠のごとく長い。人生はさほ…

★科学と生命と言語の秘密/松岡正剛✕津田一郎

『科学と生命と言語の秘密』(松岡正剛✕津田一郎) 私たちを生み出しそして私たちが生きているこの世界は、いかなる仕組みで成り立っているのか、いかにすれば見通せるのか。現時点で最高度の問いと答えの形が示されていると確信する。知的官能全開の一冊と…

平均的な性格でありたい。

世界は成り立っているのだから仕方ない

最近物理を教えていて返答に困るタイプの質問が度々あることに気付いた。「Aが成り立つことは分かったけれどもそもそもAが成り立たないとはどんな状況だ?」Aは成り立つのだから成り立たない具体例を出すことができないのである。 — 広江 克彦 (@eman1972) 2…

★由宇子の天秤/春本雄二郎

映画『由宇子の天秤』をネットで。 このまえ内視鏡検査で大腸ポリープを切除したが意外にもその部位には痛覚がないらしい。この視聴でもきわめて特異な傷が生じたに違いないがどんな痛覚なのか曖昧で不気味。春本雄二郎という新人監督の名だけは確実に刻まれ…

★万物の黎明/デヴィッド・グレーバーほか

『万物の黎明』を読み始めた。 「人類史を根本からくつがえす」ーーこの狙いは全開にして鮮明。 「西洋近代文明がこの世で最も賢明」という私の固い信念をついに初めてぐらっと揺るがせる一冊になるかも。 自由・平等といった啓蒙思想は実はネイティブアメリ…

食、服、本

だいたい売っているものを食べるし、売っている服を着る。売っている本を読むかというと、もう売っていない本をけっこう読む。これはなかなかすごいことだ。

地獄とは他人のことだ(出口なし)

ーーだったら、天国とは無職のことだ(出口は?)

ツイッター進化論(随時変異)

大勢の感覚を感じる生き物がいるが、その中に本当に現実に感覚を感じる奴が含まれているのは今だけで、百年前も百年後もそんな奴は含まれおらず、また、そもそもそんな奴は(宇宙の意識的存在者たちの中に)一度も含まれないこともありえた、という点がこの問…

NHK「ドキュメント・エルサレム」

NHKスペシャル 選「ドキュメント・エルサレム」(前編・後編)=2004年制作= 視聴した。貴重な映像によって初めて具体的なイメージができてくる感。

★優雅で感傷的な日本野球/高橋源一郎

阪神が日本一になったので、『優雅で感傷的な日本野球』(高橋源一郎)を久しぶりに読むことにした。初出は『文藝』。1985年11月号から連載が始まったようだ。 全部すーっと読んでしまった。面白いとしか言いようがない。まったく難解ではないのだった。ただ…

ゴジラよりクマが怖い

ゴジラは怖いのだろうか。でも今はとにかくクマが怖い。もし人間が改心しても自然やクマは意に介さない。神は不在。

★実践! クリティカル・シンキング/丹治信春

論理学の本は、食パンを生でバターもつけず食べるようなものと思っていたが、カツオと昆布で出汁をとって味噌汁を作るようなものかと思い直した。ともあれ、愛好者の少なさと、裏腹の強さが、いつも思い浮かぶ。 筑摩書房 実践! クリティカル・シンキング /…

★ビートルズ「Now and Then」

ちょっと思い出した!(歌は世につれ)

ChatGPTをめぐって(11月)

ChatGPTは、与えられた文章にあるすべての単語をベクトルにして数値化し、さらにそのベクトルどうしのかけ算(内積)をして互いの距離を数値化する。そうした数値をもとに次に来る単語の列を予測する。どうもなんかそんなことをしているらしい。うっすらとは…

公共の場所とは?

私有の場所をゴミ箱にするかしないかは、その人の自由であり、その自由は侵されるべきではなく、今の日本ではたいてい侵されない。一方、公共の場所をゴミ箱にするかしないかは、市民の自由であり、その自由も侵されるべきではないが、ゴミ箱にする自由だけ…

★心という難問/野矢茂樹 やっと感想

https://tokyocat.hatenadiary.jp/entry/2023/07/10/000000 からの続き ↓ 大事なメールほど返信が遅れるという法則がある。大事な書物も同じだ。感想がはなはだしく遅れる。今年は野矢茂樹『心という難問』がそうだ。もう秋も深まった。なんとか片付けるべし…

重そうな月が落ちていく

チョムスキーとデイビッドソンについて

チョムスキー的には、地球人の言語は、異星人の目から見たらただひとつしか存在しない、という立場がとれそうだが、デイヴィドソン的にはさらに、言語は、それがおよそ解釈可能な限りは、地球人の言語か異星人の言語かを問わず、ひとつしか存在しない、とい…

★アート・オブ・ノイズ 1986

アート・オブ・ノイズ「Eye of a Needle」 1986年の東京ライブらしい。途中のピアノとスキャットが心にしみる。今となっては何かの残照として響くからだろうか。

ツイッター進化論(随時変異)

ツイッターは「リポスト」に本音が現れる。「いいね」に本音が隠される(見ないであげてください) * 脳は常に膨大な入力と出力をしているのだろうが、しかし実際はその中間の調整をもっと膨大にしているのだろう。最後の出力は口に任される? あるいはツイ…

加藤文元さん・川上量生さん 語る(数学)

www.youtube.com 「数学をやると何ができるようになりますか?」「数学ができるようになります」(せっかくなので深淵な中身の一部のみお知らせ) 「数はスペクトルで表せる。ただし、掛け算のスペクトルだけでなく、足し算のスペクトルもある」 * 加藤さん…

統一教会とハマス

「統一教会を今すぐ消滅させるべきとまでは思わない」と言う人と、「ハマスを今すぐ消滅させるべきとまでは思わない」と言う人では、どちらがより少ないのだろう、ということが気になる。上の2つを同等に公平に主張する人は、さらにもっと少ないのではないか…

付箋と感想

何かを読むのは自然な行為だが、付箋やメモをしたり感想をまとめたりするのは、もしや不自然な行為なのか? 川を水が流れるようにただ読めばいいのであり、読んだものを苦労して堰き止めることなどしなくていいのか? とはいえ、ダムを作っておけば渇水そし…

イスラエルとパレスチナについて(10月7日〜)

(10月9日) 「シワ寄って、コロんで、ムナしく、ナミだを流す」ーー中東戦争の年代をまとめて覚える。 https://www.y-history.net/appendix/wh1601-143.html ハマスの由来はインティファーダと関係が深いようだ。だから、PLO(アラファトら)に比べると、国…

カラスは天才か?

これはひょっとして、チョムスキーが人の言語にしかないと言い張ってきた「再帰性(回帰性)」というやつでは…? …微妙か。 ◎参照(図もある):言語論2013〈第1夜〉 - 東京永久観光

ChatGPTをめぐって(10月)

(10月3日) 《GPTは何か「文脈」のような抽象的な一塊の「記憶」をもって動作しているわけではないのです。そうではなく、直前の「トークン長分の単語」を「まるっと」参照した上で、次の単語を計算して答えを出す、というのをひたすら繰り返すシステムなの…

量子情報物理学をめぐって

専門は?と聞かれたら伝わりやすいように、量子情報物理学(ブラックホールなどの時空の物理、量子力学基礎論を含む)と答えてますが、自分の本当の気持ちでは「存在と無の物理学」です。無である真空とは何か?在るとは何か?を、量子情報や量子測定の観点…