東京永久観光

【2019 輪廻転生】

進化

リバースエンジニアリングとして(人工知能)

http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20180607/p1 から続く 人工知能研究とは、人間の知能の「リバースエンジニアリング」なんだな、というのが、『人工知能とは』を読んで思ったポイントの1つ。たとえば車を作るのがエンジニアリングなら、すでに完成された自…

身体そして進化の観点から(人工知能)

http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20180527/p1 から続く 『人工知能とは』(近代科学社)は、人工知能をめぐる本質的な問いを、13人の研究者が、それぞれ自ら設定し、言葉を厳密に選んで答えていったシリーズで、人工知能学会誌に連載されたものらしい。 表紙…

人間は自然現象

人工知能に比べたら、「人間はなんて自然なんだろう」と思う。人間が生き物の仲間だったことを、今さらながら思い知る。人間が行うことも、人間が考えることも、ことごとく、自然現象として捉えることが、すんなりとできるようになる。

ゲノムに占める情報産業の割合

先日 放送大学で「ゲノム中の遺伝子の機能による分類」というのを示していたんだけど、ヒトの場合も大腸菌の場合も、2〜3割はなんと「遺伝情報」自体を担う役割だという! これって、情報産業というか、少なくとも第三次産業に相当するのではないだろうか? …

人生の発現、仕事の発現

遺伝子の発現ではログが残らないので、生物がいかに成長し死滅するかは、謎のままだ。しかし、クラウドやSNSから人々のプロフィールやスケジュールやメールや文書や写真などのすべてを調べれば、人間の活動や一生がいかに発現するのか、そのプログラムのほう…

だったら人間には魂も天国も地獄もあるのか? ――ブレードランナーをめぐって

「魂もないくせに」――しかし魂がないのはレプリカントだけではないね。「おれたちには天国も地獄もない。だからここで戦うんだ」――この実感はレプリカントだけでなく無神論者のものでもあるね。 (以下を視聴して)https://twitter.com/tokyocat/status/9294…

言葉が意味に接続してしまう時代

「現代の言葉はリンク先に意味が顕在化してしまう」という話の続き。このときの際立った特徴は、言葉が他の言葉(意味)と直接「接続」していることにあるだろう。それすなわち、事実としてインターネットに物理的に接続しているからでもある。インターネッ…

生命体は1つ、知性体は2つ

◎https://wired.jp/special/2016/kotoba/この世に生命体は今のところDNAタイプ1つしか知られていないが、知性体は2つを目にしている――ホモ・サピエンスと人工知能――と言うべきなのだろう。

『サピエンス全史』読み終えた

(ここからの続き↓) この本の素晴らしさは、専門家の知識を述べ立てるところにはない。誰もが知る現世人類の道程から「言われてみればそのとおり」の事実と評価をいくつも提示することだ。そのサピエンスの事実は決定的な驚愕に値し、しかもその評価の優美…

『サピエンス全史』(終盤)

(ここからの続き↓) この本は、人類が、社会や生活の基盤を、劇的に、しかも、幾度も、変容させてきたことを、思いがけない視点から、ありありと実感させるわけだが、下巻の終盤まで来ても、その勢いは衰えるどころが加速している。近代科学による激変、資…

★サピエンス全史(下巻)

(ここからの続き↓) 宗教に関する考察。ここはさして新味もなかろうと思っていたら、完全に裏切られた。宗教の本質…というかむしろその単純かつ基本の事実が淡々と指摘されていくのが、決定的に面白い。「そういえばそうだ!」と今さら気づかされること、多…

★サピエンス全史(読書再開)

(ここからの続き↓) 貨幣について。貨幣が宗教や国家や文化を超えてユニバーサルであるという指摘に、「そういえばそうだ!」と改めて感じ入る。日本人もミャンマー人も米国人も中国人もIS人も、仮に互いの素性がまったくわからなくても、ドルだけは信用す…

★サピエンス全史/ユヴァル・ノア・ハラリ(柴田裕之 訳)感想

読み進めつつ、以下は感想。 期待を超えて面白い!現世人類の最大の特徴を言語とみるのは一般的ながら、著者はそれすなわち「虚構の思考」だとズバリ指摘して清々しいのだが、しかし最も深くうなずいたのは、その虚構思考こそが現世人類の同一種にあるまじき…

ホモ・サピエンス・ヤンキー系

「最後のイゾラド 森の果て 未知の人々」を先日やっと視聴した(NHKスペシャル『大アマゾン』第4集)。http://www.nhk.or.jp/special/amazon/NHKカメラマンがひとり目前で撮影したその人々は、ヤンキー系の性格が著しい一家、という感じがしないでもなかっ…

あやうく「暑中見舞い」を出すところだった(もう「残暑」でないといけないのだった)=ピンカー読書継続=

『冬冬の夏休み』が至福の時間としか言いようがないのは何故なんだ? ディープラーニングがものごとの特徴を把握するカギはどこにあるのだ? そんなことばかり考える。小池百合子と稲田朋美で真の極右はどっちで、その思想を私は永久に拒絶するのだろうか。…

★人工知能は人間を超えるか/松尾豊

ある画像を見てそれが猫かどうか、私はすぐわかるが、コンピュータはなかなかわからない。そこを克服したのがグーグルの人工知能であり、それを可能にした手法がディープラーニングだという。ではディープラーニングとは何か。松尾豊『人工知能は人間を超え…

人工知能と昆虫の違い

人工知能がたとえば昆虫よりも複雑な脳を備えるようになったら、「人工知能に感情がない」と判断するのは、「昆虫に感情がない」と判断する以上に難しくなるのだろう。ただし人は概して、「昆虫に感情がない」とは思いたがらないように、「人工知能に感情が…

★心の仕組み/スティーブン・ピンカー(再開)

1か月以上中断していたが(4月は忙しかった)、再び開く。上巻の残り20〜30ページが未読だったので、ウォーミングアップをかねて1つ前の節から再読しはじめたところ、改めて深淵にして新鮮な理解が得られ、感動とともに恐怖に誘われる。なぜなら、つい1か月…

ただ知らないことを ただ知るために

まだ、ピンカーの『心の仕組み(上)』を読んでいるのだが、「ボールドウィン効果」というものを、私は十分に知っていなかったということを知り、第二次大戦で日本が米国と戦ったことを知らなかったことを今知った、というくらいのショックを受けたほうがよ…

★心の仕組み/スティーブン・ピンカー(再)

「人間はある個人を愛するのであり、ある種の個人を愛するのではない」(スティーブン・ピンカー)。なるほど。国民もある政権政党を支持するのであり、ある種の政党を支持するのではない、とも言えるかもしれない。かれと同じ「A性格+B性格+C性格」だからと…

依存症、ツイッター、人の心

「覚醒剤がないならツイッター見てればいいじゃない」「はい、やってます」 体には生存や生殖という明白な目標があるけれど、心にはそれがないのではないか。覚醒剤もツイッターも煙草もパチンコも心の領域。信仰やテロも?芸術や哲学もだと思われる。人間の…

目が見えなければ視点など存在しない?

「言葉は不思議だ〜」ということを15年くらいは考えている。どう不思議かというと、もし言葉がなかったら、私の今のこの感じは、私の今のこの感じと、どれほど違っていたことか! という思いに結実してくる。言い換えれば、「じゃあ、猫はいつも、どんな感じ…

ツイート

力強く仕事に向かうためにこそ、とりあえずツイッターでスイングバイだ! * イギリスが端からみてなんだか必死すぎる。空爆。自分も必死すぎるときは端からみてあんな感じなのだろうか。自爆。 * 不景気がなければ好景気もないように、苦がなければ楽もな…

ハロウィン世代

きのう、「現在の若者はクリスマスやバレンタインよりハロウィンで盛り上がる。それは以前の若者と違って彼氏彼女がいないせいだ」、みたいなことをテレビで誰かが言っていて、なるほどと思ったのだが、10年や20年で習俗が大きく変わり本能(性愛)まで変わ…

ツイッター進化論(随時変異)

ツイッターの言葉はそれを書いた個人や集団の繁栄とは無縁に増殖する。ここから、進化(遺伝子の繁栄)がじつは個体の生死や種の明滅に必ずしも直結しない、という理屈が実感できるかもしれない。増えたり減ったり現れたり消えたりするのは、ひとえに言葉(…

★私の恋人/上田岳弘(三島賞)

『新潮』4月号がたまたま家にあり、巻頭が上田岳弘「私の恋人」(三島賞)だった! アフリカを出た現生人類はやがてオーストラリアへと行き着くが、われらが2回めの旅のどん詰まりはというと、東の果てにおける原爆投下だった、という仮の見取り図がまず示…

★生命大躍進/NHK(第1回)

◎ http://www.nhk.or.jp/seimei/節足動物と脊椎動物が進化的に縁遠いのに似たような目を持つのは、節足動物系の目につながった遺伝子のセットが、太古に、まるごと、脊椎動物系のゲノムに入り込んだからではないか、という仮説を紹介していた。しかしそれは…

ドローンの時代

存立危機事態というか、上空露見事態というか…(ドローンが官邸をshoot!) ともあれドローンの時代が来るのだろう。前にも書いたが、映画『インターステラー』は、その「ドローンの時代がすでに到来し、しかもドローンの時代はもはや過ぎ去った」近未来を描…

★遺伝子の不都合な真実―すべての能力は遺伝である/安藤寿康(2012)

「体であれ心であれ あらゆる能力に、そりゃ遺伝子はなんらか関係するだろうさ」という認識は昔からあるわけで、今さら何だろうと思いつつ読み始めたが、私としては初めて明瞭になったことが多数あり、非常に有益な一冊となった。 <エレガントな双子研究>…

ツイッター進化論(随時変異)

ホモ・サピエンスが一人残らず言語を使いまくるようになったという人類史は、べつに不思議に思わないが、ホモ・サピエンスが一人残らずスマホやネットを使いまくるようになるという人類史は、なんか不思議に思える。ツイートしない知的生命体は現在1つも見…