年の暮れ、『物理学の哲学入門 Ⅰ』という本を読んでいる。
こんな本を読みたかったのだなと思う。物事のそもそもの成り立ちが知りたくて物理学を勉強するのだが、しかし物事のそもそもの成り立ちとはそもそもどういうものなのか、という大変面倒なことが面白いのだろうか。
↓(2026.2.1)
たとえば電子なんて見えない極小サイズだから、その動きや軌道の説明がいくら奇妙でも我慢できる。しかしたとえば物が静止していることと一定速度で動いていることが区別できないなんて話は、毎日の経験から思いつくわけがないレベルなので、この世界の正体への不審と興味がにわかに立ち込める。
そんな話がまさにかんでふくめるように書いてあるのだ。それはかねてより誰もが「そんなバカな」と驚いてきた話だが、この本を読んでいくとやがて「それもたしかに道理だ」となんとか納得に至るときがきて、かえって驚きが増す。
この本は、高校の物理の試験で100点とか90点とか取った人向けかというと、まあそうかもしれないが、しかし著者はもっと別の読者にも熱い視線を投げている。いわく──
《物理学の驚くほど多くの部分は、こうした問いに答えることなく進むことができる》。しかしたとえば《熱の流れを決定するきわめて詳細な方程式を発見することができても、熱とは何かについての説明は得られない》。
《さらに基礎的な問いにひきつけられた物理学徒は、そのような問いに取り組まない物理学の授業に失望することがある。本書は物理的実在に興味を持つ哲学者のみならず、そのような物理学徒のためにも書かれている》。
「え、私のこと?」 そうかもしれない。
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